DXツール
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2025年11月30日

中小企業向けDXツール15選目的別おすすめと選び方を解説

中小企業のDX推進に役立つツールを業務効率化・顧客管理・会計など目的別に厳選紹介。導入費用の目安や失敗しない選び方のポイントも解説します。

「DXって言葉はよく聞くけど、実際に何から始めればいいのか分からない」「うちみたいな小さな会社でも本当に導入できるの?」——そんな声を、中小企業の経営者や担当者の方からよく耳にします。

実は私自身、これまで様々な規模の企業でIT導入支援に携わってきましたが、中小企業ほどDXツールを導入したときの効果を実感しやすいというのが正直な印象です。なぜなら、人手が限られているからこそ、業務の自動化や効率化による「浮いた時間」の価値が大きいからです。

中小企業基盤整備機構が実施した2024年の調査によると、DXに「既に取り組んでいる」企業は18.5%で、前年から約4ポイント上昇しています。「取り組みを検討している」を含めると42%の企業が何らかの形でDXを意識しているという結果でした。一方で、「何から始めてよいか分からない」という声も依然として多く、特に小規模事業者にとってはハードルが高いと感じられているのが現状です。

この記事では、そんな悩みを解消するために、中小企業のDX推進に本当に役立つツールを目的別に15個厳選して紹介します。IT専門の人材がいなくても導入・運用できるものを中心に選んでいますので、ぜひ最後までお読みください。

中小企業がDXツールを導入すべき理由

そもそもDXツールとは何か

DX(デジタルトランスフォーメーション)ツールとは、単にアナログ作業をデジタル化するだけでなく、業務プロセスそのものを見直し、生産性を向上させるためのソフトウェアやサービスを指します。

たとえば、紙の請求書をExcelに置き換えるのは「デジタル化」です。しかし、クラウド会計ソフトを導入して銀行口座と自動連携させ、経理担当者の作業を月10時間削減する——これがDXです。ツールを入れること自体が目的ではなく、「業務をどう変えるか」という視点が重要になります。

中小企業こそDXで恩恵を受けやすい

「DXは大企業のもの」と思われがちですが、実際には中小企業のほうが導入効果を実感しやすい場面が多くあります。

経済産業省が公開している「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025」でも、中小企業は経営者がリーダーシップを発揮することで大企業に比べてスピード感を持って変革に取り組みやすいと指摘されています。意思決定が速く、組織が小さいからこそ、ツールの導入から定着までを短期間で実現できるのです。

また、人手不足が深刻な中小企業では、従業員一人あたりの業務負担が大きくなりがちです。だからこそ、繰り返し作業の自動化や情報共有の効率化による時間創出の価値は計り知れません。

DX推進で得られる具体的なメリット

業務効率化

手作業による時間や手間を削減し、コア業務に集中できる

コスト削減

人件費や紙資源費などの見直しにより、経営資源を有効活用

属人化の解消

特定の担当者しか分からない状態を解消し、誰でも対応できる体制に

データに基づく意思決定

売上傾向や顧客行動を分析し、経営判断の精度を向上

人材採用・定着

働きやすい環境を整備することで、優秀な人材の確保・定着に貢献

失敗しないDXツールの選び方

DXツールは種類が多く、どれを選べばよいか迷ってしまいます。ここでは、中小企業がツールを選定する際に押さえておくべきポイントを整理します。

1解決したい課題を明確にする

まず最初にやるべきことは、「何に困っているか」を言語化することです。「DXしなきゃ」という漠然とした危機感だけでツールを導入しても、使われないまま終わってしまうケースが非常に多いのです。

「経理作業に毎月2日かかっている」「顧客情報が営業担当の頭の中にしかない」「勤怠集計を手作業でやっていてミスが多い」など、具体的な困りごとを書き出してみてください。そこからツールを逆算するのが成功への近道です。

2現場が使いこなせるかを重視する

どれだけ高機能なツールでも、現場の従業員が使えなければ意味がありません。むしろ、機能を絞ったシンプルなツールのほうが定着しやすいこともあります。

無料トライアル期間があるツールは積極的に活用しましょう。実際に触ってみて、「直感的に操作できるか」「マニュアルを見なくても基本操作ができるか」を確認してください。ITに詳しくない従業員にも試してもらうと、より正確な判断ができます。

3他のシステムとの連携を確認する

ツール単体の機能だけでなく、すでに使っているシステムと連携できるかも重要です。たとえば、勤怠管理システムを導入するなら、給与計算ソフトとデータ連携できるかどうかで作業効率が大きく変わります。

最近のクラウドサービスは相互連携が進んでいますが、連携にオプション料金がかかる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

4サポート体制を確認する

IT専門人材がいない中小企業では、導入後のサポート体制が非常に重要です。電話サポートがあるか、チャットで質問できるか、導入支援サービスはあるかなど、困ったときに頼れる窓口があるかを確認しましょう。

国産ツールは日本語サポートが手厚い傾向があります。海外製ツールは機能面で優れていても、日本語対応が不十分なケースがあるので注意が必要です。

5予算と費用対効果を検討する

クラウドサービスは月額料金が一般的です。「月々の費用」だけでなく、「削減できる人件費」「創出できる時間の価値」と比較して費用対効果を判断しましょう。

また、IT導入補助金など国や自治体の支援制度を活用すれば、導入費用を大幅に抑えられる可能性があります。2025年のIT導入補助金では、通常枠で最大450万円の補助を受けられます。

【目的別】中小企業におすすめのDXツール15選

それでは、業務効率化・顧客管理・会計・勤怠管理・コミュニケーションの5つの目的別に、おすすめのDXツールを紹介していきます。

業務効率化・情報共有ツール

業務のデジタル化や社内の情報共有を改善するためのツールです。「Excel管理から脱却したい」「部署間の情報共有がうまくいかない」といった課題を持つ企業におすすめです。

1. kintone(キントーン)

月額1,000円〜/ユーザー

サイボウズが提供する業務アプリケーション作成プラットフォームです。プログラミング不要で、顧客管理、案件管理、日報など、自社の業務に合わせたアプリを簡単に作成できます。

こんな企業におすすめ:

Excel管理の限界を感じている、業務に合った既製品がない、段階的にシステムを拡張したい

2. Notion(ノーション)

無料〜月額1,000円/ユーザー

メモ、ドキュメント、データベース、プロジェクト管理など、様々な用途に対応できるオールインワンツールです。チーム内の情報を一か所に集約できるため、「あの資料どこだっけ?」という状況を解消できます。

こんな企業におすすめ:

社内のナレッジ共有を改善したい、リモートワークを推進している

3. Asana(アサナ)

無料〜月額1,200円/ユーザー

プロジェクト管理・タスク管理に特化したツールです。担当者の割り当て、期限設定、進捗の可視化ができるため、「誰が何をいつまでにやるのか」が一目で分かります。複数のプロジェクトを並行して進める企業に適しています。

こんな企業におすすめ:

プロジェクトの進捗管理を効率化したい、タスクの抜け漏れを防ぎたい

顧客管理(CRM)ツール

顧客情報を一元管理し、営業活動や顧客対応の質を向上させるツールです。「営業担当が辞めると顧客情報も消える」「顧客対応の履歴が残っていない」といった課題を解決します。

4. Salesforce Starter Suite

月額3,000円/ユーザー

世界シェアトップのCRM「Salesforce」の中小企業向けエントリープランです。顧客情報と商談管理、ToDo管理を一つの画面で管理でき、営業活動の可視化を実現します。

こんな企業におすすめ:

営業プロセスを標準化したい、将来的な機能拡張も視野に入れている

5. HubSpot CRM

無料〜月額1,000円

基本機能を無料で使えるCRMとして人気があります。顧客管理だけでなく、マーケティング、営業支援、カスタマーサービスなど幅広い領域をカバーしており、必要に応じて有料機能を追加できる設計です。

こんな企業におすすめ:

まずは無料でCRMを試したい、マーケティングとの連携も視野に

6. Zoho CRM

月額1,680円〜/ユーザー

コストパフォーマンスの高さで中小企業から支持を集めているCRMです。リード管理から販売自動化、分析ツールまで揃っており、月額費用を抑えながら本格的な顧客管理を実現できます。

こんな企業におすすめ:

予算を抑えつつ本格的なCRMを導入したい

会計・経理ツール

経理業務の効率化は、中小企業のDXで最も効果を実感しやすい領域の一つです。銀行口座やクレジットカードとの自動連携により、仕訳入力の手間を大幅に削減できます。

7. freee会計

月額3,278円〜

「簿記の知識がなくても使える」をコンセプトに設計されたクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードと連携して取引データを自動取得し、AIが仕訳を提案してくれます。請求書発行から経費精算、決算書作成まで一気通貫で対応可能です。

こんな企業におすすめ:

経理担当者がいない、経理業務を自動化したい

8. マネーフォワード クラウド会計

月額2,980円〜

金融機関との連携数が業界最多クラスで、様々な銀行や決済サービスからの自動データ取得に強みがあります。従来の会計ソフトに近い操作感のため、経理経験者にとって馴染みやすい設計です。給与計算や勤怠管理など、マネーフォワードの他サービスとの連携も魅力です。

こんな企業におすすめ:

複数の銀行口座を使い分けている、経理経験者がいる

9. 弥生会計オンライン

月額2,000円程度〜

26年連続販売数量No.1の実績を持つ弥生が提供するクラウド会計です。操作のシンプルさとサポートの手厚さに定評があり、会計ソフトを初めて使う方にも安心です。税理士との連携もスムーズに行えます。

こんな企業におすすめ:

サポート重視、税理士に記帳代行を依頼している

勤怠管理ツール

紙のタイムカードからクラウド勤怠管理への移行は、中小企業のDXにおける第一歩として最適です。集計作業の手間削減だけでなく、労働時間の適正管理による法令遵守にも役立ちます。

10. KING OF TIME(キングオブタイム)

月額300円/人

クラウド勤怠管理システムで国内シェアNo.1を誇るサービスです。ICカード、生体認証、スマホなど16種類の打刻方法に対応しており、オフィス・店舗・リモートワークなど様々な働き方に対応できます。給与計算サービスも月額300円の範囲内で利用可能です。

こんな企業におすすめ:

多様な打刻方法が必要、給与計算も効率化したい

11. ジョブカン勤怠管理

月額200円〜/人

出勤管理、シフト管理、休暇管理、工数管理などの機能を自由に組み合わせて利用できます。必要な機能だけを選べるため、コストを最適化しやすい設計です。変形労働やフレックスなど多様な勤務形態にも対応しています。

こんな企業におすすめ:

シフト制の職場、機能を選んでコストを抑えたい

12. マネーフォワード クラウド勤怠

月額300円程度〜/人

マネーフォワードの給与計算・人事管理サービスとシームレスに連携できる点が最大の魅力です。勤怠データを給与計算に自動反映できるため、転記作業によるミスを防げます。

こんな企業におすすめ:

マネーフォワードの他サービスを利用している

社内コミュニケーションツール

メールに代わるコミュニケーション手段として、ビジネスチャットツールが広く普及しています。リアルタイムなやりとり、ファイル共有、タスク管理などの機能により、情報共有のスピードと質が向上します。

13. Chatwork(チャットワーク)

無料〜月額500円/ユーザー

国産ビジネスチャットツールとして中小企業での導入実績が豊富です。タスク管理機能が標準搭載されており、会話の中から直接タスクを作成できます。社外メンバーとも簡単にやりとりできるため、取引先との連絡にも活用されています。

こんな企業におすすめ:

社外とのやりとりが多い、シンプルな操作感を求める

14. Slack(スラック)

無料〜月額850円/ユーザー

外部サービスとの連携機能が充実しており、様々なツールからの通知をSlack上で受け取ることができます。スレッド機能により話題ごとに会話を整理できるため、情報が多くなっても過去のやりとりを追いやすいのが特徴です。

こんな企業におすすめ:

複数のツールを連携させたい、IT系プロジェクトが多い

15. Microsoft Teams

Microsoft 365に含まれる

Microsoft 365を利用している企業であれば追加費用なしで使えるコミュニケーションツールです。Word、Excel、PowerPointとの連携が優れており、Teams上で資料の共同編集が可能です。ビデオ会議機能も充実しています。

こんな企業におすすめ:

Microsoft製品を中心に業務を行っている

IT導入補助金を活用して費用を抑える

DXツールの導入費用がネックになっている企業は、国の補助金制度の活用を検討しましょう。特に「IT導入補助金」は中小企業のDX推進を後押しするために設計されています。

IT導入補助金2025の概要

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際に、費用の一部を補助してもらえる制度です。2025年は主に以下の枠が用意されています。

枠の種類補助内容補助額
通常枠業務効率化やDX推進を目的としたITツール導入を支援5万円〜450万円
(補助率1/2以内)
インボイス枠会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトなどインボイス対応ツールの導入を支援。PCやタブレットも補助対象最大350万円
セキュリティ対策推進枠サイバーセキュリティ対策ツールの導入を支援最大100万円

申請のポイント

IT導入補助金を利用するには、事務局に登録された「IT導入支援事業者」から対象ツールを購入する必要があります。自分で好きなツールを選んで購入するのではなく、まず支援事業者に相談するところから始めましょう。

また、地方自治体独自のDX支援制度を設けているケースもあります。東京都の「中小企業DX推進助成金」など、地域によっては数百万円規模の助成を受けられる場合もあるので、自治体の窓口に確認してみてください。

まとめ:小さく始めて、着実に成果を積み上げる

DXは一気に全社を変革する必要はありません。むしろ、中小企業がDXで成功するコツは「小さく始めて、成功体験を積み重ねる」ことです。

まずは一つの業務、たとえば「勤怠管理のクラウド化」や「会計ソフトの導入」から始めてみてください。そこで効果を実感できれば、次のステップに進むモチベーションが生まれます。

この記事で紹介した15のツールは、いずれも無料トライアルや無料プランが用意されているものが多くあります。気になるツールがあれば、まずは試しに触ってみることをおすすめします。

DXは目的ではなく手段です。「業務を楽にしたい」「もっと顧客に向き合う時間を作りたい」——そうした本当の目的を見据えながら、自社に合ったツールを選んでいただければ幸いです。

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