「うちもDXに取り組まないといけない」―そう感じながらも、なかなか一歩を踏み出せずにいる経営者の方は多いのではないでしょうか。
実は、あなたが感じている不安や課題は、決してあなただけのものではありません。中小企業基盤整備機構が実施した最新の調査結果が、日本の中小企業が直面している厳しい現実を浮き彫りにしています。
衝撃の数字が示す中小企業DXの現実
独立行政法人中小企業基盤整備機構が2024年に実施した調査によると、全国1,000社の中小企業のうち、DXに「既に取り組んでいる」企業はわずか18.5%。「取り組みを検討している」23.5%を合わせても、42.0%にとどまります。
つまり、中小企業の半数以上がDXに着手できていないという現実があるのです。
さらに注目すべきは、「取り組む予定はない」と回答した企業が30.9%も存在すること。これは決して無関心や怠慢ではなく、多くの企業が「取り組みたいけれど取り組めない」という板挟みの状態にあることを示しています。
DXの理解度は向上しているのに、なぜ実行できないのか
興味深いのは、DXへの理解度は年々向上しているという点です。2023年の調査では、DXを「理解している」または「ある程度理解している」と回答した企業は49.1%に達し、前年比で12.1ポイントも増加しました。
メディアや業界団体による啓発活動、セミナーの開催などにより、DXという言葉自体の認知度は確実に高まっています。多くの経営者が「DXは必要だ」と頭では理解しているのです。
それなのに、なぜ実行に移せないのでしょうか。
その答えは、中小企業が直面している5つの構造的な課題にあります。
中小企業がDXに取り組めない5つの理由
中小企業基盤整備機構の調査では、DXに取り組むにあたっての課題が明確に数値化されています。これらの課題を深く理解することが、解決への第一歩となります。
1IT人材の深刻な不足(25.4%)
最も多くの企業が直面している課題が「ITに関わる人材が足りない」で、25.4%の企業がこの問題を抱えています。
ある製造業の社長の声:
「システムについて相談できる社員がいない。外部に頼むにしても、何をどう依頼すればいいのか分からない。結局、現場の声は『今のやり方で何とかなっている』となり、変革の機運が生まれないんです」
IT人材不足の問題は、単に「パソコンに詳しい人がいない」という表面的な話ではありません。
- • システムの要件定義ができる人材がいない
- • ベンダーと対等に会話できる人材がいない
- • 社内のデジタル化を推進できるリーダーがいない
- • トラブル時に対応できる人材がいない
これらすべてが複合的に絡み合い、DX推進の大きな障壁となっているのです。
さらに深刻なのは、IT人材の採用市場での競争です。大手企業や都市部の企業が高待遇でIT人材を確保する中、地方の中小企業がIT人材を獲得することは極めて困難になっています。
2DX推進人材の不足(24.8%)
IT人材不足と並んで深刻なのが「DX推進に関わる人材が足りない」という課題で、24.8%の企業がこの問題に直面しています。
「IT人材不足」と「DX推進人材不足」の違い
IT人材は主に技術的な実装を担当しますが、DX推進人材は経営視点とデジタル知識の両方を持ち、組織全体の変革をリードする役割を担います。
具体的には次のような能力が求められます:
- • 経営課題をデジタル技術で解決する発想力
- • 部門間の調整や合意形成ができるコミュニケーション能力
- • プロジェクトを完遂させるマネジメント力
- • 変化を恐れず、失敗から学べる柔軟性
ある卸売業の経営企画室長の声:
「社長からDX推進を任されましたが、正直何から手をつけていいのか...。現場からは『業務が増える』と反発され、IT部門とは言葉が通じない。板挟みになって疲弊しています」
このように、DX推進人材の不足は、単なる人数の問題ではなく、組織変革を牽引できる「変革リーダー」の不在という本質的な課題なのです。
3予算確保の困難さ(24.5%)
3番目に多い課題が「予算の確保が難しい」で、24.5%の企業がこの問題に直面しています。
DXへの投資は、設備投資とは異なる難しさがあります。製造設備なら「これを導入すれば生産能力が○○%向上する」と明確ですが、DXの場合は効果が見えにくいため、経営陣や財務担当者を説得することが困難なのです。
実際、「取り組む予定はない」と回答した企業の理由を見ると、「予算が不足している」が23.6%を占めています。
ある食品加工業の財務担当者の声:
「設備投資なら銀行も理解してくれますが、『業務システムの刷新』と言っても、なかなか融資の話が進まない。既存のシステムが動いている以上、緊急性が低いと判断されてしまうんです」
さらに、中小企業の予算確保には以下のような構造的な問題があります:
短期的な資金繰りの優先
日々の運転資金や設備の維持費用が優先され、DXのような中長期的な投資に回す余裕がない企業が多いのが実情です。
投資回収期間の不透明さ
DXの効果が表れるまでには通常1〜3年かかります。この期間を待てる財務的余裕がない企業も少なくありません。
初期投資の大きさ
システム導入、ハードウェア購入、人材育成など、初期段階でまとまった資金が必要になることも、中小企業にとっては大きなハードルです。
4具体的な効果が見えない(23.9%)
「取り組む予定はない」と回答した企業の中で最も多かった理由が「具体的な効果や成果が見えない」で、23.9%に達しています。
ある建設業の経営者の声:
「コンサルタントに相談すると『DXで業務効率が上がります』と言われるが、具体的に売上が何円増えるのか、コストが何円削減できるのか、明確な数字が出てこない。それでは投資判断ができません」
DXの効果が見えにくい背景には、いくつかの要因があります:
成功事例の業種・規模のミスマッチ
メディアで紹介されるDX成功事例の多くは大企業のものです。従業員20人の町工場が、従業員1万人の大企業の事例を参考にすることはできません。
段階的な効果の説明不足
DXには、デジタイゼーション(アナログのデジタル化)、デジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)、デジタルトランスフォーメーション(ビジネスモデルの変革)という段階があります。しかし、いきなり最終段階の話をされても、多くの中小企業にとっては現実感がありません。
定量的な効果測定の欠如
DX推進前の業務にどれだけの時間とコストがかかっているのか、正確に把握している企業は少数です。現状が数値化されていなければ、改善効果も数値化できません。
5何から始めればよいか分からない(18.7%)
従業員規模20人以下の企業に限定すると、「何から始めてよいかわからない」が18.7%を占めています。前回調査の27.7%から9.0ポイント改善しているものの、依然として大きな課題です。
多くの中小企業経営者の声:
「DXが必要だとは分かっている。でも、自社の現状を考えると、どこから手をつけるべきなのか...」
多くの中小企業経営者が、こうした戸惑いを抱えています。DXという言葉が包括的すぎて、かえって何をすればいいのか分からなくなっているのです。
この課題の背景には、情報の氾濫と整理されていないアドバイスの問題があります。
インターネットで「中小企業 DX」と検索すれば、膨大な情報が出てきます。しかし、その多くは一般論や大企業向けの内容で、自社に当てはめて考えることが困難です。
また、「まずはクラウド化から」「AIを導入すべき」「ECサイトを作ろう」など、様々な主張が飛び交い、何が自社にとって最適なのか判断できないという声も聞かれます。
なぜ今、中小企業にDXが必要なのか
ここまで、中小企業がDXに取り組めない理由を見てきました。しかし、厳しい現実がある一方で、DXに取り組むことで得られる効果も確実に存在します。
人手不足の解消につながる
日本全体で深刻化する人手不足。中小企業基盤整備機構の調査でも、「不足している」「非常に不足している」と回答した企業は45.2%に達しています。
興味深いのは、DXに取り組むことで従業員の不足感が解消されるかという質問に対し、「解消される」「ある程度解消される」と答えた企業が12.6%にとどまったことです。
一見ネガティブな数字に見えますが、これは多くの経営者がDXを「人を減らすための施策」ではなく、「限られた人材でより高い付加価値を生み出すための施策」と捉えていることの表れとも言えます。
実際、DXに取り組んだ企業の81.6%が「成果が出ている」「ある程度成果が出ている」と回答しており、具体的な成果として以下が挙げられています:
- • 業務の自動化、効率化ができた
- • コストの削減、生産性が向上した
- • 働き方改革、多様な働き方の実現ができた
- • データの一元化、データに基づく意思決定ができた
顧客接点の強化と新たな価値創造
コロナ禍を経て、顧客の行動は大きく変化しました。オンラインでの情報収集や購買が当たり前になり、リアルとデジタルの境界が曖昧になっています。
DXに取り組むことで、従来アプローチできなかった顧客層にリーチしたり、顧客データの分析により一人ひとりに最適化されたサービスを提供したりすることが可能になります。
競争優位性の確保
「今のやり方で何とかなっている」―確かに、今日明日は大丈夫かもしれません。しかし、5年後、10年後はどうでしょうか。
同業他社がDXに取り組み、業務効率化や顧客満足度向上を実現している中、自社だけが従来のやり方を続けていれば、確実に競争力は低下します。
重要なポイント:
DXは「やらなければ倒産する」ものではないかもしれません。しかし、「やらなければ徐々に取り残される」ことは間違いありません。
5つの課題を乗り越える具体的な解決策
それでは、先ほど挙げた5つの課題に対して、どのような解決策があるのでしょうか。実践的なアプローチを紹介します。
解決策1:IT人材不足を補う3つのアプローチ
IT人材を自社で確保することが難しい場合、次の3つのアプローチが有効です。
外部人材の活用
自社で抱え込む必要はありません。ITコーディネーターやDXアドバイザーなど、外部の専門家を活用することで、自社に不足している知識やスキルを補完できます。
中小企業基盤整備機構やよろず支援拠点、商工会議所などの公的支援機関では、無料または低コストでDXに関する相談を受け付けています。まずはこうした窓口に相談してみることをお勧めします。
段階的な内製化
最初から完全な内製化を目指す必要はありません。外部パートナーと協業しながら、徐々に社内にノウハウを蓄積していく段階的なアプローチが現実的です。
例えば、システム開発は外部に委託しつつ、運用や簡単なカスタマイズは社内で行えるようにする。こうした形で、少しずつ内製化の範囲を広げていくのです。
既存社員のリスキリング
完全な専門家を育成する必要はありません。「デジタルに強い営業担当」「ITに理解のある経理担当」というレベルでも、DX推進には大きな力になります。
人材開発助成金などを活用すれば、社員教育のコストを抑えることもできます。オンライン研修サービスも充実しており、業務の合間に学習できる環境が整ってきています。
解決策2:DX推進人材を育成する仕組み作り
DX推進人材は、外から連れてくるだけでなく、社内で育成することも重要です。
小さな成功体験の積み重ね
いきなり大きなDXプロジェクトを任せるのではなく、小規模なデジタル化から始めましょう。例えば、紙の日報をデジタル化する、会議資料を共有フォルダで管理する、といった小さな取り組みでも構いません。
こうした小さな成功体験を積み重ねることで、「デジタル化は難しくない」「自分にもできる」という自信が生まれ、次第に大きな変革にも挑戦できるようになります。
権限と責任の明確化
DX推進担当者を任命する際は、明確な権限と責任を与えることが重要です。「とりあえずやってみて」という曖昧な指示では、担当者は動きようがありません。
- • 予算執行の権限
- • 各部門との調整権限
- • 外部パートナー選定の権限
- • 定期的な経営層への報告機会
これらを明確にすることで、担当者は安心して推進に取り組めます。
経営層の関与
DXは現場だけでできるものではありません。経営層が強いコミットメントを示し、定期的に進捗を確認し、必要な意思決定を迅速に行うことが不可欠です。
中小企業基盤整備機構の調査でも、DX成功企業に共通するポイントとして「経営者のリーダーシップ」が挙げられています。
解決策3:補助金・助成金を最大限活用する
予算不足の課題に対しては、国や地方自治体が提供する各種の補助金・助成金を積極的に活用しましょう。
調査結果より:
DX推進に向けて期待する支援策を尋ねた調査では、「補助金・助成金」が41.6%と最も高い割合を示しています。多くの企業が補助金の必要性を認識しているのです。
現在、中小企業が活用できる主な補助金には以下のようなものがあります:
IT導入補助金
中小企業のITツール導入を支援する補助金です。会計ソフト、顧客管理システム、ECサイト構築など、幅広いITツールが対象となります。補助額は最大450万円(2024年度実績)、補助率は1/2〜3/4程度です。
ものづくり補助金
革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援します。デジタル枠を活用すれば、DX関連の投資も対象になります。補助額は最大8,000万円まで設定されています。
事業再構築補助金
新分野展開、事業転換、業種転換など、思い切った事業再構築に取り組む企業を支援します。DXを通じた業務改革や事業転換も対象です。
小規模事業者持続化補助金
販路開拓や生産性向上の取り組みを支援します。小規模事業者であれば申請しやすく、補助額は最大250万円(2024年度実績)です。
中小企業省力化投資補助金
人手不足に悩む中小企業の省力化投資を支援する新しい補助金制度です。
補助金活用の3つのポイント
1. 早めの情報収集と準備
補助金には申請期間があり、書類準備にも時間がかかります。「やりたいことが決まってから調べる」のではなく、日頃から情報収集しておくことが大切です。
2. 事業計画の明確化
補助金申請には、しっかりした事業計画が必要です。「どんな課題を、どのような方法で、いつまでに解決するか」を明確に説明できなければなりません。逆に言えば、補助金申請のプロセスは、自社のDX戦略を明確にする良い機会でもあります。
3. 専門家の活用
補助金申請には専門的な知識が必要です。中小企業診断士や認定支援機関などの専門家に相談することで、採択確率を高めることができます。商工会議所などでも申請支援を行っています。
解決策4:「見える化」で効果を実感する
「具体的な効果が見えない」という課題に対しては、効果の「見える化」が重要です。
現状の数値化から始める
改善効果を測定するには、まず現状を数値化する必要があります。
- • この業務に毎月何時間かかっているか
- • この作業で発生するミスは月に何件か
- • 顧客からの問い合わせに回答するまで平均何日かかるか
- • 在庫管理に何人の人員を割いているか
こうした基礎データを取ることから始めましょう。完璧な数値でなくても構いません。おおよその把握でも、効果測定の指標になります。
小さく始めて効果を確認
いきなり全社的なDXに取り組むのではなく、限定的な範囲で試験導入し、効果を確認してから展開するアプローチが有効です。
成功事例:
ある卸売業では、まず営業部門だけで顧客管理システムを導入しました。3ヶ月間運用してデータを取り、「商談機会が15%増加」「提案書作成時間が40%削減」といった具体的な効果を数値化できました。この成果を社内で共有したことで、他部門からも「うちでも導入したい」という声が上がり、全社展開につながったそうです。
成果を定期的に可視化・共有
DXの取り組みは、短期間で劇的な変化をもたらすものではありません。しかし、小さな改善は確実に積み重なっていきます。
月次や四半期ごとに、設定したKPI(重要業績評価指標)の達成状況を可視化し、経営層や全社員と共有することで、「確かに変わってきている」という実感を持つことができます。
解決策5:自社に合った「最初の一歩」を見つける
「何から始めればよいか分からない」という課題に対しては、業種や規模、課題に応じた段階的なアプローチが有効です。
現場の困りごとから始める
DXの出発点は、壮大なビジョンではなく、現場の具体的な困りごとです。
- • 在庫管理が属人化していて、担当者が休むと業務が回らない
- • 顧客からの問い合わせ対応に時間がかかりすぎている
- • 見積書作成に毎回1時間以上かかっている
- • 月末の請求書発行作業で残業が発生している
こうした日々の困りごとを洗い出し、デジタル技術で解決できそうなものから取り組んでみましょう。
業種別の典型的な「最初の一歩」
業種によって、取り組みやすいDXの入口は異なります。
| 業種 | 取り組み例 |
|---|---|
| 製造業 | • 生産管理システムの導入 • IoTセンサーによる設備の稼働状況の可視化 • CAD/CAMのクラウド化 |
| 小売業・飲食業 | • POSシステムと在庫管理の連携 • 予約管理システムの導入 • キャッシュレス決済の導入 • SNSを活用した情報発信 |
| 建設業 | • 工事写真の管理アプリ • 予約管理システムの導入 • Web会議システムの活用 |
| サービス業 | • 顧客管理システム(CRM)の導入 • オンライン予約システム • Web会議システムの活用 |
3つの段階で進める
中小企業基盤整備機構の調査でも明らかになっているように、DXには段階があります。
第1段階:デジタイゼーション(アナログのデジタル化)
紙の書類をPDF化する、手書きの日報をExcelにする、FAXをメールに切り替えるなど、アナログ業務をデジタル化する段階です。現在DXに取り組んでいる企業の35.7%がこの段階にとどまっていますが、これは決して「遅れている」わけではありません。この段階を着実に進めることが、次のステップへの土台になります。
第2段階:デジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)
個別の作業だけでなく、業務プロセス全体をデジタル化する段階です。例えば、受注から納品、請求までを一つのシステムで管理するなど、複数の業務を連携させます。
第3段階:デジタルトランスフォーメーション(ビジネスモデルの変革)
デジタル技術を活用して、ビジネスモデルそのものを変革する段階です。新たな価値創造や顧客体験の向上を実現します。
重要なポイント:
いきなり第3段階を目指す必要はないということです。第1段階から着実に進めることで、自然と次の段階に進むことができます。
成功企業に学ぶDX推進のポイント
中小企業基盤整備機構の調査では、DXに成功している企業に共通する6つのポイントが明らかになっています。
1気づき・きっかけと経営者のリーダーシップ
成功企業は、何らかの「気づき」や「きっかけ」を得て、経営者自らがリーダーシップを発揮してDXを推進しています。きっかけは様々ですが、重要なのは、そのきっかけを見過ごさず、行動に移すことです。
2身近なところから始める
成功企業の多くは、小さな取り組みから始めています。身近なところで成功体験を積み、ノウハウを蓄積し、人材を育成してから、組織全体に拡大しています。「できることから始める」というシンプルな原則が、実は最も確実な成功への道なのです。
3外部の視点とデジタル人材の確保
成功企業は、外部人材を積極的に活用しています。自社にない知識やスキルを外部から取り入れることで、DX推進のスピードを加速させています。完全に自社だけで進めようとするのではなく、適切なパートナーと協業することが成功の鍵です。
4ビジネスモデル・組織文化的の変革
DXは単なるIT導入ではありません。データやデジタル技術の活用を進める中で、ビジネスモデルや組織文化自体を変革していくプロセスです。成功企業は、システム導入と並行して、業務プロセスの見直しや組織体制の再構築にも取り組んでいます。
5中長期的な取り組みの推進
DXには時間がかかります。成功企業は、5年後、10年後のビジョンを描き、戦略的に投資を行いながら、地道な試行錯誤を続けています。短期的な成果を求めすぎず、中長期的な視点を持つことが重要です。
6伴走支援の重要性
外部の支援機関や専門家が伴走支援者として関わることで、経営者自身がビジョンを明確にし、組織の自己変革力を高めることができます。相談できる相手がいる、壁にぶつかったときに助言をもらえる、そうした関係性が、DX推進を支える大きな力になります。
今日からできる3つのアクション
最後に、明日からすぐに始められる具体的なアクションを3つ提案します。
1現場の困りごとをリストアップする
まずは、社内の各部門で「困っていること」「時間がかかっていること」「ミスが発生しやすいこと」をリストアップしてください。
立派な課題分析は必要ありません。付箋に書き出すだけでも構いません。まずは「現状の可視化」から始めましょう。
2公的支援機関に相談する
よろず支援拠点、商工会議所、中小企業基盤整備機構など、無料で相談できる公的支援機関に問い合わせてみてください。
「何から始めたらいいか分からない」という相談でも大丈夫です。専門家が、あなたの会社の状況を聞きながら、最適な第一歩を一緒に考えてくれます。
3補助金情報をチェックする
各種補助金の公募情報をチェックし、自社で活用できそうなものがないか確認してください。
補助金のサイトには、採択事例も掲載されています。同業種の事例を読むことで、「うちでもこんなことができるかも」というヒントが得られるはずです。
まとめ:一歩踏み出せば、道は開ける
「中小企業の18.5%しかDXに取り組めていない」という数字は、確かに厳しい現実を示しています。
IT人材不足(25.4%)、DX推進人材不足(24.8%)、予算確保の困難さ(24.5%)、効果が見えない(23.9%)、何から始めればよいか分からない(18.7%)―これらの課題は、確かに簡単には解決できません。
しかし、同じ調査は、DXに取り組んだ企業の81.6%が何らかの成果を実感していることも明らかにしています。
完璧なDX戦略がなくても、豊富な予算がなくても、IT人材が社内にいなくても、DXは始められます。大切なのは、完璧を求めて動けなくなることではなく、小さくてもいいから一歩を踏み出すことです。
「うちには無理だ」と諦める前に、まずは現場の小さな困りごとに目を向けてみてください。その解決から、あなたの会社のDXストーリーが始まります。
補助金を活用すれば、予算の課題は軽減できます。公的支援機関や外部専門家を頼れば、人材不足は補完できます。小さく始めて効果を測定すれば、「見えない」効果は「見える」ようになります。
今日この記事を読んだことが、あなたの会社のDXの「きっかけ」になることを願っています。
変化を恐れず、しかし着実に。中小企業だからこそできる、機動的で柔軟なDXがあるはずです。
さあ、最初の一歩を踏み出しましょう。
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